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【インタビュー】「日本酒シンガー」Uinaが音楽でつなぐ酒蔵の想い~音楽×日本酒の相乗効果で生み出すワクワクのカタチ~

日本酒専門メディア「SAKEMAP」では、蔵元をはじめ、日本酒の魅力を広め、業界を様々な形で盛り上げて活躍されている方々にフィーチャーするインタビュー企画をお届けしています。

今回紹介するのは、全国各地の酒蔵に寄り添い、その歴史や造り手の想いを「音楽」という形で表現し続ける「日本酒シンガー」のUina(ユイナ)さんです。シンガーソングライターとして活動する傍ら、2024年には株式会社オトムスビを設立し、「人と人、人と文化を結ぶ」ことを理念に実業家としても活躍の場を広げています。インタビューでは、日本酒シンガー誕生のきっかけから、楽曲制作の裏側、そして現在進行中の「埼玉酒蔵ソングプロジェクト」にかける熱い想いまで、たっぷりとお話を伺いました。

運命を変えた「獺祭」との出会い

白い和服を纏って床に横座りするUina(ユイナ)さんの写真 右手は日本酒のボトルに添えて、左手は大きな花瓶の花に添えてポージング

ーー本日はよろしくお願いします! まず、Uinaさんが「日本酒シンガー」として活動されるようになったきっかけを教えてください。

Uinaさん 20代前半の頃、新橋のビルの一角にあったスナックに立ち寄った際、隣に座っていたサラリーマンの方から「お前も山口県民ならこれを飲め」と勧められたのが、初めての日本酒『獺祭』との出会いでした。その時に受けた衝撃と、日本酒というものに初めて巡り合った感動を歌にしようと思い立ったんです。そして出来上がったデモ音源(「カワウソの蔵」)を旭酒造さん(株式会社 獺祭)の社長宛に手紙を添えて送りました。

ーーえっ、何の繋がりもないところからいきなりデモ音源を送られたんですか!? すごい行動力ですね! 

Uinaさん そうなんです、「初めまして」から始まる手紙を添えてお送りしました。いきなりそんな怪しい物が届いたら、普通は「変なのが来たぞ」と途中で止まると思うんですけど、ちゃんと社長の手元まで届いて、社長直々にメールでお返事をいただいたんです。それが年末のことで、年明けの新年会に招いていただき、そこで演奏もさせていただきました。今でも社長や会長、役員の方とさまざまなイベントでご一緒したり、獺祭の行事に参加させていただいたりと、繋がりが続いています。

ーー初めて飲んだ日本酒の衝撃をただの感動で終わらせず、すぐにご自身の音楽として表現し、さらに自らアプローチして道を切り拓いていく行動力が本当に素晴らしいですね! それがきっかけで、日本酒業界に深くのめり込んでいったんですね。

Uinaさん はい。日本酒の世界を知ってどんどんお酒が好きになり、飲みの席が増えていくなかで、新潟県の蔵元さんを紹介していただいたりと繋がりが広がっていきました。そこから日本酒のイベントで音楽を作ったりするようになり、あるメディアのライターさんに『日本酒シンガー』と書いていただいたことがきっかけで、正式にその肩書きを名乗るようになりました。

偶然の出会いと持ち前の熱量から生まれた「日本酒シンガー」という唯一無二の肩書き。ここからUinaさんの、音楽で酒蔵の想いを紡ぐ本格的な活動がスタートしていくことになります。

蔵元自身が歌う!?  「酒蔵ソング」制作の裏側

日本の酒造りをテーマにしたグループ写真。全員が笑顔で親指を立て、伝統的な作業着を着用している。

ーーこれまで10数曲の酒蔵ソングを制作されてきたとのことですが、楽曲はどのように作られているのでしょうか?

Uinaさん 時間を作っていただける場合は現地へ足を運んで蔵を見学しながら、難しい場合はオンラインで1時間ほどかけて蔵元さんからお話を伺います。酒蔵の歴史や蔵元の志、お酒造りへの想いなどを紐解きながらヒアリングし、それを歌詞に落とし込んでいくんです。同じ「日本酒」というテーマで多く曲を作っていると、どうしても歌詞が似たりよったりになってしまうので、お酒造りに対する細かな独自性や、その土地ならではの特徴をどれだけ引き出せるかという点には一番こだわっています。

ーー制作の過程で、とくに大変、難しいと感じることはどんなことですか?

Uinaさん 実は、私の制作する酒蔵ソングは、蔵元さんご自身にも一緒に歌っていただいているんです! 皆様もちろんプロの歌手ではないので、初めてヘッドホンをつけてマイクの前に立つ時のレクチャーや、しっかり声が録音できているかといった技術的な部分のサポートにはとても気を使います。また、職人気質の方が多いので、最初は「歌いたくない」と首を縦に振らない方も多く、歌っていただくまでのハードルが高いこともありますね。

ーーそこからどのようにして、一緒に歌うことに賛同していただけるのでしょうか?

Uinaさん 現在取り組んでいる「埼玉酒蔵ソングプロジェクト」では組合副会長の滝澤さん(滝澤酒造)に、かなりの酒蔵さんとお繋ぎして頂いています。滝澤さんのお人柄もあり「あそこが歌うならうちも」と巻き込まれる形で参加が広がり、埼玉の酒蔵の想いが着実に音楽になっています。また、過去に楽曲を作った蔵元さんの例として、海外輸出の際にプロモーション動画として活用されたお話や、SNSでの広がりなどの実績をお伝えしています。そうすると「日本酒を知ってもらうきっかけになり、業界を盛り上げることに繋がるなら」とメリットを感じて挑戦してくださるケースもあります。

ーー制作を通して「楽しい」「やりがいがある」と感じるのはどんな時でしょうか?

Uinaさん 一番のやりがいは、一緒にレコーディングをして蔵元さんたちと打ち解けられた時ですね。最初は渋っていた方も、いざスタジオに入って歌ってみると「楽しい!みんなやった方がいいね」と笑顔になってくださって、そこから急にグッと距離が縮まるんです。

音楽×日本酒が生み出す相乗効果~どちらも幸福度を上げるもの~

スタジオで笑顔を見せる3人の人々。背景には音響機器が設置され、鹿の頭が飾られている。

ーー出来上がった楽曲は、実際にイベントやSNSなどでどのような反響を生んでいますか?

Uinaさん 以前、新潟県糸魚川市にある猪又酒造の純米酒「サビ猫ロック」の公式ソングを制作した際に、猫を飼っている方がInstagramのストーリーでその曲を使って投稿してくださったんですね。その投稿を見た方が「この曲なに? 」と興味を持ってくださり、「新潟の酒蔵の曲らしい」と広まったことがありました。「普段お酒は飲まないけどラベルが可愛いから買っちゃいました」というコメントもあり、音楽をきっかけにお酒を知ってもらえたのがすごく嬉しかったです。

ーーなるほど!  音楽があることで、普段日本酒に馴染みのない層にも自然とアプローチできるんですね。

Uinaさん はい。それに、楽曲やミュージックビデオを通じて造り手(人)を知ってもらえるのも大きいです。動画を見た方に「こんなに真面目なお酒を造っている社長が、こんなに楽しそうに歌ってるんだ!」という良いギャップを感じてもらえる。やっぱり「人」を知ると、その人が造ったお酒を飲んでみたくなりますよね。日本酒はどうしても「こうあるべき」と構えられがちですが、音楽がもっとカジュアルで新しい入り口になればと思っています。

ーーUinaさんにとって、この「音楽×日本酒」の活動を通して実現したい想いとは何でしょうか?

Uinaさん 音楽もお酒も嗜好品ですが、どちらも「人の幸福度を上げるもの」だと思っています。日本酒は誇るべき日本の文化であり、絶対に守っていくべきもの。私は自分の武器である音楽というアプローチを通して、その酒文化を守り、日本から世界へ届けていきたいです。音楽とお酒で、造り手も飲み手もみんなでワクワクを共有できる社会を作っていくことが私の目標です。

酒蔵の歴史や造り手の人柄といった「見えない魅力」を音楽という直感的なエンターテインメントに変換することで、新たなファン層を開拓しているUinaさんの酒蔵ソング。日本の酒文化を未来へと繋ぎ、業界全体を底上げしていく大きな可能性と価値を秘めていると感じます。

埼玉の全酒蔵を歌にする「埼玉酒蔵ソングプロジェクト」

飲み会で集合した男性と女性のグループ。参加者はさまざまなポーズで楽しそうにしています。

ーー現在、埼玉県酒造組合とタッグを組んで大きなプロジェクトを進められているそうですが、こちらはどのような経緯で始まったのでしょうか。

Uinaさん 私が埼玉県朝霞市のナナコライブリーFMで「日本酒シンガーUinaの呑み口粋酔」というラジオ番組を担当しているのですが、埼玉の魅力を伝える企画として「埼玉の全酒蔵のイメージソングを作ろう」と立ち上げたのがこのプロジェクトです。埼玉県酒造組合さんに掛け合ったところ、副会長の滝澤さん(滝澤酒造)が「面白い!僕が1発目に歌います」とその場で快諾してくださりスタートしました。

ラジオ番組の一企画から始まり、組合全体を巻き込む一大プロジェクトへと発展していく様子に、Uinaさんの持つ求心力と日本酒業界の新しいことへ挑戦する活気が感じられます。

ーー最後に、日本酒初心者や若い世代を含め、SAKEMAP読者に向けてメッセージをお願いします。

Uinaさん 日本酒は敷居が高いと感じる方もいるかもしれませんが、構えなくて大丈夫です。私が作った音楽から酒蔵の社長を知ったり、可愛いラベルからお酒に興味を持ったり、入り方はなんでもありだと思います。難しく考えず、まずは自由に日本酒の美味しさを楽しんでほしいです。例えばワインの世界でも、飲み方やルールに厳しい「ワイン警察」のような方がいて(笑)、「その飲み方は違う」なんて言われると「普通に美味しく飲ませてよ!」と感じてしまうことってありますよね。日本酒にも作法や伝統はありますが、いちいちそんなことを気にしていたら楽しめません。だからこそ「日本酒はこうあるべき」という固定概念の器(枠)を外して、もっとカジュアルに間口を広げていきたいんです。

「こうあるべき」という枠を外し、もっと自由に、カジュアルに。「知識がなくても普通に美味しく楽しみたい」という読者の率直な気持ちを肯定してくれるUinaさんの飾らないメッセージは、これから日本酒に出会う多くの人の背中を押してくれますね。音楽という新しい入り口から、ぜひあなただけの日本酒の楽しみ方を見つけてみてください!

【イベント情報】埼玉酒ソング10蔵 完成記念「SAITAMA SAKE SONIC 2026」開催!

SAITAMA SAKE SONIC 2026 チラシ

6月27日(土)には、東京都北区にある赤煉瓦酒造工場で、日本酒シンガーUinaさんが手掛ける埼玉酒ソング10蔵の楽曲完成を記念したスペシャルイベント「SAITAMA SAKE SONIC 2026」が開催されます。日本酒を味わいながら蔵人による音楽ライブも楽しめる、まさに「日本酒×音楽」の融合を体感できる1日です。ぜひ足を運んでみてください!

■SAITAMA SAKE SONIC 2026(埼玉酒ソング10蔵 完成記念イベント)
日時: 2026年6月27日(土)14:00 START(13:30 OPEN)〜 16:00 終了
場所: 赤煉瓦酒造工場(東京都北区滝野川2-6-30 / JR王子駅 徒歩約8分)
参加費: 3,000円(税込・当日現金払い)※先着70名様
内容: 埼玉県内酒蔵31イメージソングプロジェクトのうち、完成した10蔵の音楽と埼玉の美酒を楽しめます。
主催: 埼玉県酒造組合・株式会社オトムスビ
申込方法: 事前予約受付( https://saitamasakesonic.peatix.com )

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