2025年10月21日に、日本酒「獺祭」を製造する旭酒造株式会社(山口県岩国市)が、三菱重工業株式会社と共同で開発した宇宙用醸造装置を種子島宇宙センターより打ち上げました。「獺祭MOONプロジェクト」と名付けられたこの壮大な挑戦は、人類初となる宇宙空間での清酒醸造試験となります。
月面での酒造りを見据えた「オールジャパン」の挑戦

「獺祭MOONプロジェクト」は、2040年代に人類の月面への移住が実現する場合に備えて、将来的に月面で獺祭を造ることを目指すというもの。長期間を月で暮らす中で、酒は生活に彩りを与える大切な存在になるはずです。なかでも水分を多く含むブドウと比べて軽い米を原材料とする日本酒は、月まで輸送しやすいという特徴があり注目されています。
これを実現するための第一歩としてスタートしたのが、今回の醸造試験です。月面の重力(地球の約1/6)を「きぼう」内で再現した環境下で、醸造試験を実施します。
試験場所: ISS「きぼう」日本実験棟内の細胞培養追加実験エリア(CBEF-L)
環境再現: 装置内で月面の重力(地球の1/6G)を再現し、醸造試験を実施。
輸送手段: 初実証となる新型宇宙ステーション補給機(HTV-X)に搭載して打ち上げられました。
今回の試験では、酒造り特有の「並行複発酵現象」が宇宙空間(月面重力模擬環境下)でどのように進行するかを検証します。宇宙空間で清酒の醸造試験を実施するのは、世界で初めての試みです。この検証が成功すれば、将来的な月面での本格的な酒造りの可能性が大きく高まります。
宇宙で生まれた幻の酒「獺祭MOON」

宇宙での発酵を終えた醪(もろみ)は、ISS内で凍結され、回収機にて地球に持ち帰られる予定です。
回収後、地上で解凍・精製された清酒は「獺祭MOON – 宇宙醸造」として、希望小売価格1億円での販売が予定されています。この出荷額は全額、日本の宇宙開発事業に寄付され、未来の科学技術と宇宙産業の発展に貢献されます。
日本が誇る日本酒文化と、最先端の宇宙技術が融合したこの挑戦は、「オールジャパン」の技術力が生み出す、まさに夢とロマンが詰まったプロジェクト。旭酒造は、「地球の文化を宇宙へ広げ、未来を切り拓くための重要な一歩」として、このプロジェクトに大きな期待を寄せています。続報が楽しみですね。










