2026年6月10日(水)、TAKANAWA GATEWAY CITY THE LINKPILLAR 1 SOUTHで、世界最大級の日本酒コンペティション「SAKE COMPETITION 2026」の表彰式が開催されました。 本記事では、日本酒のトレンドを牽引する「日本一の市販酒」が決まる瞬間の熱気や、各部門のランキング結果、受賞直後の蔵元へのインタビュー、さらには受賞酒と絶品料理のペアリングが楽しめたパーティーの様子まで、現地からたっぷりとレポートします!
【この記事のポイント】
・日本酒品評会「SAKE COMPETITION 2026」の表彰式を現地から熱気とともにお届け
・“本当に美味しい市販日本酒” 各部門のトップ10ランキングを速報!
・圧倒的2冠を達成した今西酒造(みむろ杉)など、上位入賞蔵元へのインタビュー
・選び抜かれた受賞酒と絶品料理のペアリング体験から最新の日本酒トレンドを解説
SAKE COMPETITION(サケコンペティション)とは?

「SAKE COMPETITION」は、「ブランドによらず消費者が本当に美味しい日本酒にもっと巡り会えるよう、新しい基準を示したい」という理念のもと、2012年からスタートした世界最大級の日本酒の品評会です。

最大の特徴は、「市販酒のみが対象」であることと、銘柄を完全に隠した「完全ブラインド審査」で行われることです。実は、一般的な日本酒の品評会では、コンテストで賞を獲るためだけに特別に醸造された「一般には流通しないお酒」が出品されることも少なくありません。しかし、本大会の対象はあくまで私たちが普段酒販店で実際に買えるお酒(市販酒)のみです。「今、実際に買って飲める本当に美味しいお酒」がわかる、消費者にとって非常に価値の高いランキングとなっています。

さらに特筆すべきは、審査基準の高さです。審査員には、全国で酒造技術指導を行う専門家をはじめ、推薦で選出された蔵元や日本酒業界の有識者が選出されますが、審査員自身も「審査にブレがないか」を毎年評価されます。もし審査にブレがある場合は翌年から呼ばれないという非常にシビアな環境で行われているため、審査の精度が極めて高く、選ばれたお酒には圧倒的な説得力があります。
2026年は全国の367の酒蔵から1,139点の清酒と、首里城正殿復興を記念して新設された特別部門の泡盛51点が出品され、熾烈な審査が行われました。
熱気にあふれた授賞式の様子

今回SAKEMAP編集部は、今年グランドオープンしたばかりの「TAKANAWA GATEWAY CITY」のLINKPILLAR Hall A・Bで開催された授賞式に参加しました。会場には日本全国から集まった蔵元や業界関係者、メディアが詰めかけ、素晴らしい熱気に包まれます。
各部門の10位から順に発表が行われるたびに、会場からはどよめきや大きな拍手が巻き起こりました。銘柄を完全に隠して審査される「完全ブラインド審査」の本大会では、どんなブランドでも平等に1位を獲るチャンスがある一方で、蔵元たち自身も結果発表の瞬間まで自分の酒が選ばれるか全く予想ができません。だからこそ、純粋な酒の質のみで競う実力勝負の場としてこの日を心待ちにしており、その緊張感や期待感が会場全体の熱気からヒシヒシと伝わってきました。
特に上位3位(TOP3)の発表で名前を呼ばれた瞬間、壇上に上がる蔵元の方々が見せた驚きと感極まった表情、そして仲間と喜びを分かち合う姿は非常に印象的でした。長年の苦労や酒造りへの情熱が報われた瞬間に立ち会うことができ、会場全体が温かい感動に包まれていました。
SAKE COMPETITION 2026 各部門の結果・ランキング
ここからは、出品された全1,139点(清酒)と泡盛51点の中から選ばれた、各部門のラン器イングを速報でお届けします!
純米酒部門(出品数:294点)

日本酒の基本とされる特定名称酒「純米酒」表示がされている日本酒で、「特別純米酒」や「山廃純米酒」「生酛純米酒」も出品可能。コストパフォーマンスに優れ、幅広い飲用温度帯で楽しめる日本酒が数多く存在するカテゴリーです。
第1位:みむろ杉 ろまんシリーズ Dio Abita(ディオアビータ)(奈良県/今西酒造株式会社)
第2位:ささまさむね特別純米(福島県/笹正宗酒造株式会社)
第3位:あさまやま 夏純(群馬県/浅間酒造株式会社)
第4位:楽器正宗 純醸(福島県/合名会社大木代吉本店)
第5位:松の司 生酛純米酒(滋賀県/松瀬酒造株式会社)
第6位:みむろ杉 ろまんシリーズ 特別純米辛口 露葉風(奈良県/今西酒造株式会社)
第7位:清嘹 舞風 純米酒(群馬県/株式会社町田酒造店)
第8位:あたごのまつ特別純米(宮城県/株式会社新澤醸造店)
第9位:雨後の月 特別純米 未希米(広島県/相原酒造株式会社)
第10位:陣屋 特別純米(福島県/有賀醸造合資会社)
純米吟醸部門(出品数:328点)

特定名称酒「純米吟醸酒」表示がされている日本酒で、「山廃純米吟醸酒」や「生酛純米吟醸酒」も出品可能。純米酒より一般的に香り豊かで、綺麗な酒質が特徴です。主力商品として位置づけている蔵が多く、年間を通して楽しめる激戦区の部門です。
第1位:みむろ杉 ろまんシリーズ 純米吟醸 山田錦(奈良県/今西酒造株式会社)
第2位:勝山 KIRAKIRA(キラキラ)(宮城県/仙台伊澤家 勝山酒造株式会社)
第3位:三諸杉 純米吟醸(奈良県/今西酒造株式会社)
第4位:楽器正宗 愛山中取り(福島県/合名会社大木代吉本店)
第5位:天賦 純米吟醸(鹿児島県/西酒造株式会社)
第6位:会津娘 純米吟醸「穣」松原8(福島県/株式会社髙橋庄作酒造店)
第7位:楽器正宗 雄町中取り(福島県/合名会社大木代吉本店)
第8位:紀土 純米吟醸(和歌山県/平和酒造株式会社)
第9位:松の司 純米吟醸 楽(滋賀県/松瀬酒造株式会社)
第10位:天美 純米吟醸 蛍天(山口県/長州酒造株式会社)
純米大吟醸部門(出品数:339点)

特定名称酒「純米大吟醸酒」表示がされている日本酒で、「山廃純米大吟醸酒」や「生酛純米大吟醸酒」も出品可能。蔵を代表する酒として持てる技術のすべてを注ぎ込み、手間を惜しまずに造られているお酒が多い最高峰とも言える部門です。
第1位:雨後の月 純米大吟醸(広島県/相原酒造株式会社)
第2位:山和 純米大吟醸(宮城県/株式会社山和酒造店)
第3位:太平山 純米大吟醸 天巧(秋田県/小玉醸造株式会社)
第4位:愛友 純米大吟醸 備前雄町(茨城県/愛友酒造株式会社)
第5位:后 50 Black(富山県/吉乃友酒造有限会社)
第6位:紅花屋重兵衛雪女神(山形県/古澤酒造株式会社)
第7位:東洋美人 壱番纏(山口県/株式会社澄川酒造場)
第8位:松の司 純米大吟醸 黒(滋賀県/松瀬酒造株式会社)
第9位:天鷹 有機純米大吟醸 槽搾り原酒(栃木県/天鷹酒造株式会社)
第10位:来福 純米大吟醸 愛山(茨城県/来福酒造株式会社)
Super Premium部門(出品数:83点)

日本の「食」が世界を席巻する今日において、日本酒の世界における地位向上を目的とし、すべてにおいて他の酒類に勝る最高の日本酒を決めるために創設されました。特定名称酒に限らず720mlで小売価格1万円(外税)以上など、高価格帯の清酒が対象です。
第1位:而今 特等雄町(三重県/木屋正酒造株式会社)
第2位:東洋美人 志荘(山口県/株式会社澄川酒造場)
第3位:くどき上手 命 斗瓶囲大吟醸(山形県/亀の井酒造株式会社)
※同部門は授賞式にて上位3位のみの発表
モダンナチュラル部門(出品数:95点)

純米酒かつ「生酛・山廃・菩提酛」づくりの清酒が対象(精米歩合は問わない)。伝統的な手法で造られながらも、新たな価値を内包しているお酒を評価する部門です。この部門のみ、日本のトップソムリエなどエキスパートが独自の審査項目で評価を行います。
第1位:たちばなや 純米吟醸(宮城県/合名会社川敬商店)
第2位:萩原 山廃純米(茨城県/萩原酒造株式会社)
第3位:試験醸造2025 Type-Kimoto(京都府/城陽酒造株式会社)
第4位:神開 純米原酒 水酛(滋賀県/藤本酒造株式会社)
第5位:久比岐 和希水 生酛(新潟県/頚城酒造株式会社)
※同部門は授賞式にて上位5位のみの発表
泡盛部門(出品数:51点 ※特別部門)

2026年秋に予定されている首里城正殿復興を記念して限定で新設された特別部門。一般酒、古酒、未来の泡盛(泡盛を主原料としたスピリッツ・リキュール等)が対象。
全部門総合1位:ZANPA TORAKICHI 2022(沖縄県/有限会社比嘉酒造)
一般酒部門 同率1位:The IZENA 44度 新酒(沖縄県/合資会社 伊是名酒造所)
一般酒部門 同率 1位:南都神泉30度 新酒(沖縄県/上原酒造株式会社)
一般酒部門 同率1位:御酒 -うさき- 30度 新酒(沖縄県/瑞泉酒造株式会社)
古酒部門 1位:ZANPA TORAKICHI 2022(沖縄県/有限会社比嘉酒造)
未来の泡盛部門 同率1位:残波青切りシークヮーサー(沖縄県/有限会社比嘉酒造)
未来の泡盛部門 同率1位:請福パッションフルーツリキュール(沖縄県/請福酒造有限会社)
※同部門は授賞式にて各部門の1位と全部門の総合1位のみの発表
次世代や世界へ羽ばたく! 特別賞も
本大会では各部門のランキング発表に加えて、日本酒の未来を牽引する特別な賞の表彰も行われました。それぞれの特別賞と受賞蔵をご紹介します。
ダイナースクラブ若手奨励賞
次世代の日本酒の造り手を応援する目的で2016年に創設され、各部門のGOLD受賞酒蔵の中から40歳以下の若手醸造責任者・杜氏に授与される賞です。受賞者には、ダイナースクラブ会員への紹介をはじめとした販売拡大やPRの支援が行われます。
受賞:相原 章吾 氏(広島県/相原酒造株式会社 代表取締役社長 )

純米大吟醸部門1位とのW受賞を果たした相原酒造の相原章吾氏。インタビューでは「AIなどのテクノロジーを活用して醸造管理などを行いつつも、毎年1年生という初心を忘れずに丁寧な仕事をしていきたい」と、34歳の若き造り手ならではの熱い意気込みが語られていました。
TAKANAWA GATEWAY CITY グランドオープン記念 最優秀酒蔵賞
授賞式会場となったTAKANAWA GATEWAY CITYのまちびらきを記念した賞です。純米3部門での総合得点が高く、長い伝統を受け継ぎつつ革新を重ね、世界に誇る日本酒文化を築いてきた蔵元に贈られます。
受賞:今西酒造株式会社(奈良県)

純米酒部門・純米吟醸部門の圧倒的な2冠達成に加え、多数の上位入賞を果たした今西酒造が見事選ばれました。壇上では「イノベーションが生まれたこの場所(高輪)で表彰されたことにあやかり、地元・奈良の町のため、地域のために精進していきたい」と喜びが語られていました。
JAL 空飛ぶSAKE賞
純米3部門の中から、出荷量に限りがあり国内でも希少性の高いお酒に対して、「海外の方にも是非知ってもらいたい」という視点で選ばれる賞です。受賞酒は期間限定でJAL国際線のビジネスクラスで提供されます。
受賞:たちばなや 純米吟醸(宮城県/合名会社川敬商店)

モダンナチュラル部門1位とのW受賞を果たした蔵元は「海外へ行くという非日常のワクワク感を持ってお出かけになる皆様に、弊社のお酒が寄り添えれば大変嬉しい」と、世界中の人に飲んでもらえる喜びを語っていました。
実行委員長賞
SAKE COMPETITIONの実行委員長である長谷川浩一氏(株式会社はせがわ酒店)が、審査中に「最も素晴らしい」と評価したお酒にのみ特別に授与される賞です。
受賞:吉田蔵U 百万石乃白(石川県/株式会社 吉田酒造店)

すべて地元・石川県産にこだわり、伝統的な「山廃(やまはい)」造りで醸されたお酒です。蔵元からは「地酒の原点に戻り、石川の伝統を守りながら未来につながる地酒を造り続けたい」という力強い言葉がありました。
受賞直後の蔵元へ! 囲み取材インタビュー
授賞式直後には、各部門で見事1位に輝いた蔵元の方々に囲み取材が行われました。そこで語られた皆様の熱い想いを一部お届けします。
【純米酒&純米吟醸部門 堂々の2冠!】奈良県・今西酒造

「2014年以来となる二冠を達成できたなんて、信じられない気持ちで言葉が見当たらないです。十数年前、酒蔵がボロボロでどうしようかと思っていた時、当時のSAKE COMPETITIONで活躍する先輩方の姿を見て『いつか自分もあの壇上に立ちたい』と目指してきました。昨年は大神神社の参道に新しい酒蔵を開業し大変でしたが、みんなで力を合わせた結果を出せて一安心しています。一緒に酒造りをしてくれた蔵人たちと喜びを分かち合いたいです」
【純米大吟醸部門 1位】相原酒造(広島県)

「一昨年に社長が交代し、今期から新体制の杜氏のもとで本格的にスタートしたばかりでしたが、来年へ向けて本当にいいスタートダッシュが切れました。うちの技術の真髄が詰まった誇らしい伝統的なクラシック純米大吟醸です。普段は広島でよく飲まれていますが、今回の優勝をきっかけに全国の方にも届けていきたいですね。ぜひご自宅などで、特別な時間に楽しんでください」
【Super Premium部門 1位】木屋正酒造(三重県)

「本当にこんなことがあるんだなとびっくりしています。私たちは『時光農園』さんの特別なお米を特等雄町として初年度から5年間託していただいており、農家さんと二人三脚で挑戦を続けてきた経験が積み重なったことが、今回の受賞の決め手になったと思います。今日は蔵元の皆さんや酒屋さんとたくさん祝いたいです!」
【モダンナチュラル部門 1位】川敬商店(宮城県)

「私の父の代から作ったブランドですが、昨年からリブランディングしていたので早々にこのような結果をいただけるとは思っていませんでした。『山廃仕込み』という伝統的な製法ですが、多くのお客様に料理とともに楽しんでいただけるように、蔵の人たちとコツコツ取り組んできた結果です。志半ばで他界した父と、粛々と酒造りに励んでくれている蔵の人たちに感謝したいです」
【泡盛部門(特別部門) 1位】比嘉酒造(沖縄県)

「沖縄県内の泡盛が非常に注目される良い機会だと思っています。沖縄の首里城も復活するので、日本酒の皆様に負けないように美味しいお酒造りをしている私たちの姿が、世界中の方々に知っていただく機会になればと。今回のお酒は20年以上経っている古酒を3種類ブレンドした特別な一本です。小さなおちょこでちびりちびり飲んだり、チョコレートなどの甘いものと一緒に楽しんでいただきたいです」
受賞パーティーでの絶品ペアリング体験

表彰式の後は、受賞パーティーにも参加させて頂きました。会場では全部門の上位20%に選ばれた素晴らしい日本酒が一堂に振る舞われ、八芳園の料理長考であり、レストラン・TERAKOYAの間光男(はざまみつお)オーナーシェフ考案の特別な料理とのマリアージュ(ペアリング)を楽しむことができました。

上位入賞を果たした日本酒はどれも香りと味わいのバランスが卓越しており、純米酒の豊かな旨味が和食の出汁を極限まで引き立てたり、純米吟醸の華やかで綺麗な香りが洋風のアペタイザーと絶妙にマッチしたりと、実際に飲んで食べてみることで「今の日本酒の圧倒的なレベルの高さ」を身をもって体感することができました。
今年の「SAKE COMPETITION 2026」は、米の価格高騰や異常気象といった厳しい環境下においても、各酒蔵が知恵と技術を結集して素晴らしい日本酒を生み出していることが証明された大会でした。
特に今西酒造(みむろ杉)の圧倒的な2冠達成や、伝統製法に光を当てる「モダンナチュラル部門」での川敬商店(たちばなや)の躍進など、これからの日本酒選びの参考になるトピックが盛りだくさんです。どれも市販酒ばかりですので、酒販店や飲食店でこれらの銘柄を見かけたら、ぜひ味わってみてくださいね!








